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MiT 3月号(三井住友銀行グループ SMBCコンサルティング殿発行の会員企業向けビジネス情報誌)より
特集“京都議定書”を追い風とする
いよいよ「京都議定書」が発効。CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量削減が義務付けられることになった。日本に課せられた削減目標は、2008年から12年までの5年間において、1990年比マイナス6%。目標をクリアする方法はさまざまだ。CO2削減に有効な技術の開発・導入、CO2排出権の購入、環境マネジメントの実施…。いずれにせよ、ビジネスチャンスであることには間違いない。
取材・執筆/廣川州伸 構成:沢宮亘理 撮影:陶山 勉(敬称略) |
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ケーススタディ ミヤマ株式会社
ナビゲーションでCO2排出を抑える |
2004年2月、エコドライブナビゲーションシステム「MHS-01」の開発により、「平成15年度 第14回省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞」を受賞。ドライバーの走行環境を解析し、最適な省エネ運転を実現する「MHS-01」は、燃費向上、CO2削減の切り札として、物流業界に強烈なインパクトを与えている。
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■理想的な省エネ走行を実現
ミヤマが開発したエコドライブナビゲーションシステム「MHS-01」は、運転者をサポートし、最適な省エネ走行へとナビゲートする、画期的なエコ商品である。
システムは、車両に接続して走行データを収集・解析する「本体」、解析結果をドライバーに伝えるグラフィカルな「表示装置」、そして走行を記録する「メモリカード」で構成される。
走行開始時に本体に挿入されるメモリカードには、あらかじめ約8時間の初期走行をすることで蓄積された「車両性能の基礎データ」が保存されている。そのデータをもとに、走行時のリアルタイムのデータを分析することで、現在の「走行環境」が判断できるという仕組みだ。 |
| 走行中の車両からは、「アクセル開度」「エンジン回転」「車速」の情報が本体に伝わる。本体には、「Gサンサ」も内蔵されており、これらのデータを使って「エンジン性能」「積荷の積載量」「走行中の道路状況」など、その瞬間にドライバーが置かれている「走行環境」をくわしく解析。自動的に導き出される「理想的な走行状態」から、「一段上のギアにシフトアップ」などの運転行為を選択。選択された結果は、エコグラフメーターや各種警告表示でドライバーに伝えられる。 |
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「トラック運転は、積荷の重量が変わると走行条件も大きく変化します。「MHS-01」は、重量はもちろん、路面の状況まで瞬時に計算し、ドライバーをエコドライブへと導きます」(南副社長、以下同)
同社の実験によれば、22トン車に搭載した場合、最大燃費向上率43%、平均20%を実現する。本体価格は25万円、メモリカードと車両への取付料を合わせ車両1台につき約33万円がかかるものの、燃費向上によるコスト削減効果により、早いケースでは半年で投資コストを回収できるという。 |
■CO2排出は“運転の問題”という発想の転換
同社は、廃水処理プラント設計・産業廃棄物処理業として、1974年に長野県長野市で設立。環境ビジネスひとすじに事業を展開してきた。97年には、「環境ビジネスを進める自分たちのトラックが、地球温暖化を進行させてしまうようでは困る」と、「アイドリングストップ運動」をスタートさせた。その結果、燃費向上に自信を得て、99年には「エコドライブ運動キャンペーン」を展開し、2001年、9.7%も燃費を向上させることに成功、CO2の大幅削減を実現させた。
しかし、運動を通して課題も明らかになった。180名のドライバーが、それぞれ意欲は高いにもかかわらず、ドライバーによって燃費向上の成果が大きく異なっていたのである。ドライバーの側は「渋滞していた」「積荷が重い」「クルマが古い」などの言い分があった。
「ドライバーが自力で積荷や道路状況などを把握し、その環境に合うエコドライブを実現すること自体に無理があったのです。そこで考えたのが、走行環境を分析し、効率的な運転行為へとドライバーを導くナビゲーションシステムの開発でした」 |
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同社は、クルマの性能の問題として考えられていたCO2排出を、クルマの運転の問題としてとらえ直し、各ドライバーの置かれた状況に見合った走行支援のシステムを開発したのだった。
「F1レースでも、走行状況を瞬時にピットまで転送して解析してドライバーにフィードバックされます。また、カートレースでは、データロガーという運転判定器を使っています。「MHS-01」の開発には、これらのシステムがヒントになりました。 |
■運送業者の意識も大きく変化
従来、自動車の運転は「早く」「安全に」がポイントだった。現在は、これに「環境にやさしく」が加わっている。京都議定書が発行することで、CO2削減への関心はますます高まっている。同社にとって追い風が吹いてきた。
これまでは流通のなかでも物流部門はブラックボックス。どこの会社が、どのように運送しているのか、実態は見えにくかった。しかし、それも変わりつつある。「同じ運送業者に頼むなら、環境に配慮したエコドライブの会社に頼みたい」という荷主が増えてきたという。コスト削減という直接のメリットとは別に、「MHS-01」をあえて導入する事業者が増えている。運送業者の意識は変わってきた。 |
「“CO2の負荷を抑えながら運送している”というイメージづくりは、顧客に対するアピールになりますからね」
全国には990万台ものトラックが走っているという。「MHS-01」がそのすべてのトラックに搭載される日をめざし、同社では今日も走行実験を繰り返し、性能の向上に努めている。 |
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