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メッセージMHS-01でエコロジー&エコノミー効果
 
 
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環境機器メーカーのミヤマが、理想的な省燃費運転方法をドライバーに知らせるというシステムを開発した。舘内端と本誌サトーは長野県長野市の同社でこのシステムを試し、その効果に驚いた。質問に答えてくださったのは、同社副社長の南克明氏と環境機器開発グループの三井章義氏である。
■従来の燃費計とは根本から異なるシステム
サトー まず、御社が開発したエコドライブナビゲーションシステム「MHS-01」の燃費向上に対する効果から教えてください。
三井 昨年の夏から十数社の運送企業さんの協力を得てフリートテストを行いました。たとえば、近鉄物流さんという大手運送業の長野支店で3週間のテストをお願いしたのですが、燃費が22%も向上しました。
タテウチ その数字は大きいですね。
三井 全国的に調べてみると、20tトラックの平均燃費は3km/l前後です。近鉄物流さんは積極的にエコドライブを推進しており、平均で3.6km/lと燃費に優れた運転をなさっていたのですが、それが4.4km/lに上がったのです。
サトー それは大きな経費削減になりますね。
三井 1000km程度の運行でテストしていただいたのですが、1回の走行で53リットルの軽油をセーブすることができました。テスト車両は同じような運行を年間156回も行うということなので、一台あたり年間で8270リットルの軽油を節約することになります。軽油を1リットル=78円で計算すると1台だけで年間64万5000円の燃料費を削減することになります。CO2に換算しますと、1台あたり年間21tの排出を削減することになります。
サトー MHS-01のお値段は?
三井 本体が262,500円(税抜価格250,000円、消費税等12,500円)、データを記録するメモリカードが31,500円(税抜価30,000円、消費税等1,500円)、データを管理する専用ソフトが315,000円(税抜価格300,000円、消費税等15,000円)または420,000円(税抜価格400,000円、消費税等20,000円)となります。取り付けは、カーナビと同じくらい簡単です。
タテウチ 安い!本体とカードだけなら半年で元がとれる。ソフトを含めても1年だ。
三井 ちなみに、ソフトは一事業所に一つで済みます。
サトー MHS-01の仕組みは?
三井 まず、アクセル開度信号、エンジン回転信号、車速信号という3つの信号をクルマから取り出します。そこに、メインユニットに内蔵したGセンサーを組み合わせます。そこから理想的なエコドライブの手段を算出し、ドライバーさんが行っている操作よりベターな操作を表示します。
サトー 乗用車の燃費計とは違いますか?
三井 3つポイントがあります。まず、商用トラックの場合は積載重量が重要になります。
タテウチ そうか、10t満載と空荷では必要な操作が違いますもんね。
三井 その通りで、トラックの場合は10t積んで4t降ろし、また2t積むというように、重量変化が激しい。したがって、いま何t積んでいるのかがリアルタイムでわからないと正確なエコドライブはできません。MHS-01は重量計ではなく計算で瞬時に算出します。
タテウチ 燃費計だとそれは出来ませんね。
三井 次に、正しいエンジン能力を計算で把握します。エンジンは経年変化をしますから、その車両がどの程度のエンジン能力をもっているのかをチェックしてエコドライブの指示を行います。3つめのポイントは、道路状況をリアルタイムで計算することです。登り坂か平坦路か、あるいは下り坂か。空気抵抗も重要で、向かい風か追い風かも判断します。
トラックは積み荷によって前面投影面積が大きく変わるので空気抵抗は大事なのです。
サトー これはどこも欲しがると思います。
幸いにも運輸業者さんやメーカーさんから多くのお問い合わせをいただいております。
タテウチ いまMT用だけのようですが、AT用も作っていますか?
現在、開発中です。

■F1とカートから閃いた
タテウチ いままで誰も気づかなかった着眼点で作られた装置ですね。
ミヤマは200台のトラックを持ち、運送業務も行っています。1997年頃からアイドルストップ、エコドライブを推進しましたが、なかなかうまくいかなかったのです。
サトー それはなぜですか?
管理する側は、各ドライバーの燃費で評価するしかないのです。ところがドライバーにヒアリングするとそれぞれ言い分があります。渋滞している、積み荷が重い、自分のクルマが古い、等々。私もトラックを運転した経験があるので、気持ちはよくわかりました。
サトー ただ燃費を管理するだけでなく、フェアに燃費を競う手段としてMHS-01を開発したわけですね。
私も管理されるのは大嫌いでしたから。
タテウチ 管理するなら自分で自分を管理したいですもんね。このシステムは、ドライバーさんへの愛情がある。南さんは相当のクルマ好きだとお見受けしましたが、どうです?
ええ、F1が好きなのですが、いまのF1は走行状況が瞬時に転送されてピットで解析し、その結果をドライバーにフィードバックしますよね。あの発想をトラックに採り入れたいと考えるとこの機械になったのです。
タテウチ やっぱり、そういう人じゃないとこの仕組みは閃かないですよね。業務としてやっているトラックメーカーのエンジニアじゃ絶対に思いつかない。
私、カートもやっておりまして、いまはカートでもデータロガーを使います。データロガーを使うと、自分の運転のどこが悪いのかがすぐにわかります。これはトラックにも使える、と考えたところからスタートしました。そして東海大学工学部の林義正教授の指導をいただきながら、開発を進めました。
タテウチ よし、来月はその林教授を訪ねよう。おっとその前に、MHS-01と僕流のエコドライブでどっちが燃費がよくなるか、勝負させてください。

舘内端とMHS-01が、ゴルフIIIのディーゼルターボを用いて、1周4.4kmの市街地コースで真っ向から燃費勝負を行った。まず、館内が燃費に気を使わない運転を行うと10.3km/l。次に、システムをオフにしてタテウチ流エコドライブを行うと17.5km/l。最後に、MHS-01をオンにして指示通りに操作すると、21.5km/l(!)という燃費が記録された。舘内端、敗れたり!MHS-01は運転中、「シフトアップは早めに」「アクセル操作は緩やかに」「減速は穏やかに」など、カーナビのボイスナビゲーションと同じように操作の改善を促す。また運転が終わった後では燃費だけでなく、実に詳細な改善ポイントを確認することも可能。一例を紹介すると、タテウチ流エコドライブは、「アクセルを踏みすぎることで50cc」「低いギアで引っぱり過ぎる(特に5速に入れるべきところを4速で走る)ことで10cc」の燃料を無駄にしたと表示された。

タテウチ流に ドライバーは機械ではない
カーナビにMHS-01を組み込むと、GPS、VICS等が使えるので、信号、上り下りの坂、渋滞等の道路環境の変化を予測した運転支援ができる。さらに、雨、霧、雪といった行き先の気象情報も取り込んだ安全運転支援も可能かもしれない。こうした広がりの考えられる技術は、ワクワクできて楽しいから発展の可能性がある。
自動車単体の技術によるCO2削減には限りがある。これからは、ドライバーもCO2削減装置、技術として考える必要がある。つまり、自動車とドライバーのハイブリッドである。そのときドライバーなる人間をどう捉えるか。それによって、ずいぶんと自動車は変わる。技術者の人間を見つめる目、品性が問われる。お手並み拝見といきたいところだ。
MHS-01は、そこにひとつの回答を出した。ドライバーは機械ではないと。一人一人、みな違う存在だと。産業化社会推進一辺倒で画一な人間を育てた学校教育が見失った、人間への温かな眼差しがある。これからのCO2削減装置技術のお手本だ。
内緒でサーキット走行支援装置もほしい・・・・・・。(文=舘内 端)
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