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75〜76年全日本カート選手権シリーズチャンピオン、79年全日本F3チャンピオン、92年デイトナ24時間耐久レース総合優勝、93年F1スポット参戦、95年全日本F3000チャンピオン・・・この輝かしい戦績の持ち主といえば・・・そう、レーシングドライバー鈴木利男さんです。
その利男さんが5月中旬、ミヤマ株式会社本社を訪問されました。目的はズバリ、MHS-01のテスト走行。利男さんは、MHS-01開発の監修をいただいている東海大学工学部林義正教授が総監督を務めた1992年デイトナ24時間耐久レース優勝時、星野一義氏、長谷見昌弘氏と共に表彰台の真ん中に立った初の日本人ドライバー。さて、その結果やいかに。
テストは、ミヤマ本社近くの「テストコース」(信号のある市街地と信号のない堤防道路を組み合わせた全長4.4kmほどの公道)を2度走行して行ないました。
1回目、鈴木利男さん流のエコドライブを専用ソフトウェアで解析したのがこのデータ。
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燃費:22.0km/l |
1回目の走行は、利男さんの物腰同様、実にジェントル。小気味よくシフトチェンジされながらのスムースな走りは、快適な乗り心地。しかし、解析をしてみると、速度、アクセル操作がAランク、減速、安定走行がBランク、シフト操作がDランクと、エコドライブの面では改善の余地があることを示しています。
次に、MHS-01のナビゲーションを参考にして同じコースを再び走行していただきました。
その結果がこれ。
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燃費:26.5km/l |
1回目は評価の低かったシフト操作、安定走行が軒並みA評価。減速だけがB評価になってしまいましたが、これもよーくデータを見てみると、1回目と比較して急減速時間がわずか1秒多かっただけ、限りなくAランクに近いBでした。
■利男さん、ご感想は?
「いろんな指示が厳しく出るんですね。こんなに低い回転数でも、こんなに早めのシフトアップでも車は走るもんなんだと、今日は実感させていただきました(笑)。それにしても、これほど精密なものだとは、正直思っていませんでした。アナウンスも出てナビをしてくれますし。」
■MHS-01は、従来、最終的にはドライバー個々の経験や勘に委ねざるを得なかったエコドライブを、理論的に、リアルタイムで、判りやすく表示することを目的に開発されたんですよ。
「MHS-01のリアルタイムナビゲーションの能力は凄いですね。MHS-01は、ドライバーにリアルタイムで、いま何をすれば良い燃費で走れるのかを教えてくれます。これは私にも判らない領域で答えを出してくれる。
エコドライブに対する意識のある人であれば、なるほどこういう時はこうすればいいのか、というヒントをMHS-01からいろいろ得ることになるだろうと思います。
こういう速度で走るとどうなるのか、多少は燃費が良くなるのか、など、自分の走りと、ナビゲーションと、最終的な結果とを見比べながら自分の運転をチェックしていくことが出来ると思います。」
■レースでは「速さ」と同時に、最後まで走り切る「車にやさしい走り」も要求されますが、MHS-01もまた、安定的で穏やかな走行へとドライバーをナビゲートしながら「車にもやさしい走り」を実現しています。
走行されて、そのあたり、どのように感じられましたか?
「私たちは普段、アクセルを「踏む」とか「離す」といいますが、スムースな走りには、「踏む」「離す」ではなく、「押す」「引く」という感じの操作が必要なのだと思います。MHS-01のナビゲーションに従った走りがちょうどこの「押す」「引く」感覚なんですね。アクセルやブレーキの操作が荒いと、デフやミッション、タイヤなどに負荷がきます。上手なドライバーは、今その瞬間に必要な分しか踏まないものです。MHS-01は、今必要な運転操作を教えてくれるわけでしょ。」
■利男さんが考えられるエコ走行とは?
「先日、カートのイベントで、現役のアジアチャンピオンと走りましたが、印象的だったのは、今の選手たちのマシンコントロールの仕方です。彼らはとにかく振り回して走るんですね。特に最近のカートはパワーがあるから、振り回しても乗れてしまう。そうした走りが出来てしまう要因のひとつに、タイヤが高性能になっていることがあると思います。それはそれで一つの走り方ですが、私は、マシンを振り回すのではなく、スムースなドライビングで走る面白さに惹かれてしまうんですね。
スムースなアクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作が組み合わさった時、その走りは、マシンを振り回しながらの走りとは見た目は違っていても、やはり速いんですね。さらにいえば、速さに「効率の良さ」というプラスアルファがある運転。これが私のドライビングスタイルです。これはエコドライブに通じるのかも知れませんね。
私は、カートで走るのが好きですが、高出力のエンジンと硬いフレーム、グリップの高いタイヤで走るのではなく、比較的非力なエンジンと柔らかなフレーム、それほどグリップも高くないタイヤで走るのが面白いんですね。こういうマシンで走ると、それぞれの操作がスムースでないとスピードを殺してしまうから速く走れない。速く走るためには、常にタイヤのグリップとコーナリング抵抗とのバランスを見極めながら、エンジン性能を生かしきった走行が不可欠なんです。これはもうひとつのカートの醍醐味だと思います。」
■ドライバーのカンにゆだねた走行の場合、走行中に感覚のズレが生じて適切な運転が出来ない、そんな状況があります。たとえば、高速道路を走り続けた後、一般道に下りると、時速60kmが時速30km位に感じられてしまうような。そんな場合も、ドライバーにリアルタイムでナビゲートするMHS-01は効果があると思いますがいかがでしょう。
「レースでもそういう場面はあります。一番感覚が「とっちらかる」のは、ピットインの時ですね。急激に速度を落とさなければならないですし、進入路が狭いので、ヒヤッとします。
もうひとつは、車重の変化です。デイトナ24時間耐久レースで優勝した時の車は、燃料が100リットル入りますから、満タン時で約70kgの重量がプラスされます。ラップを重ね、燃料が減ってくると、車の挙動に変化が生じてきます。判りやすい例をあげると、満タンでは2速でしか回れなかったコーナーが、燃料を消費し軽くなったことで3速で回れるようになり、ラップタイムが上がり、燃費もどんどん良くなる。この間に、ずっと同じ走り方をしているわけではなく、瞬時に車両コンディションに最適な操作が必要になるわけです。
これはレースの場合ですが、物流トラックの場合も、たとえば10t満載で走ることもあれば、空荷の場合もあるでしょうから、走り方は相当違ってくるはずだし、エコドライブという点から見れば、重量変化に合わせて走り方を変えていかなければならないわけですね。しかし、運行のたびに変化する重量に対して運転操作の感覚を合わせられるかといえば、これは非常に難しいと思います。
乗用車で走っていても、「微妙になだらかな坂」などは感覚がつかみにくいですね。アクセルが同じ位置なのに、速度が少しずつ落ちてくるから、ああここは少しずつ上っているんだ、と初めてわかる。追い風、向かい風などの時も同様です。そんな状況で、では今のスピードを維持するためには、どれ位踏んでいけばいいのか、というと、判らないですよね。サーキットはクローズドで同じところをぐるぐる回るだけだからそうした路面状況の変化は判り易いですが、一般道路は不確定要素が多いですから、比較にならない位判断が難しくなります。どんなに優れたプロドライバーでも、刻々と変化する道路状況、異なる積荷の重量などを確実に捉えたエコドライブを、五感だけで行おうとしても不可能だと思います。」
「この装置が表示するナビゲーションは正確でした。早く乗用車バージョンも出たらいいですね。トラックドライバーさんたち以外、一般の人たちにもぜひ体験してほしいと思います。そうすれば、今まで判っているようで実は正しく把握できていなかったエコドライブを体感し、それを生活の中で使っていくことも出来ると思います。
レーシングドライバーは、車の状態や路面状況を察知する五感がセンシティブに出来ているのかも知れませんが、MHS-01は五感ではなかなか得にくい情報をセンシングして、誰でもプロドライバー並みにスムースな運転を可能にしてくれるのかも知れませんね。」
取材中「これ、レースで使ってみたいですね。」とおっしゃっていた利男さん。今回のテスト走行では、これまで見たこともないパーフェクトなエコドライブをされました。
MHS-01がナビゲートするエコドライブにすぐさま順応される様子は、レーシングドライバーの運転技術の高さを改めて知った思いがしました。
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